皆さんは下眼瞼下制という言葉を聞いたことがありますか。もし何か美容整形などに関心のある人だったら、一度ぐらいはこの言葉を聞いたことがあるのではないかと思います。それほどまでにこの下眼瞼下制というのは美容整形の中ではとてもポピュラーな施術ですし、そういった施術を希望する人もたくさんいます。ですから、下眼瞼下制について詳しいことを知っているという人もいるでしょう。しかし、あまり日頃から美容整形に興味のない人だと、なかなか下眼瞼下制という言葉そのものを聞いたことがないかもしれません。ですから、ここでは少し詳しく下眼瞼下制についてご紹介してみたいと思っています。
下眼瞼下制というのは、目の手術のひとつのメニューです。その要因はさまざまですが、下眼瞼下制のことを知る前に、まずきちんと人間の目の動作や作用について少し理解をしておく必要があると思います。皆さんは、目を閉じたり開いたりする時に動いているのは、上の瞼なのか、上の瞼なのかご存知ですか。実は実際に動いているのはほとんどが上瞼のようです。実は猫や犬などをよく観察してみると、下の瞼も動いているのですが、ヒトの場合にはこの動きは進化の途中で退化したのだと考えられているそうです。
また、解剖学上は、下瞼というのは、上瞼とまったく同じような構造になっているそうです。ですから、上瞼を上に上げる筋肉があるのと同じように下瞼を下に下げる筋肉もあるようです。ところが前述したように退化しているために動きそのものはないのだそうです。けれども、よく観察してみると下瞼も少しだけ動いているのだとか。さらによくよくそのシステムを観察してみると、下瞼自身が独立して動くのではなくて、眼を開く時に下瞼が目尻側の上の方に引っ張られるようにして動いているようです。ですから、下瞼そのものが動くというよりも、上瞼の動きにつられて下瞼も動くという、いわゆる受動的な動きだとされています。下眼瞼下制はこういった動きにも大きく関わってきます。
ですから、この受動的な動きの大きいヒトの場合には、眼を大きく開こうとすると、下瞼も上に動いてしまって、大きく眼を開けているつもりでも、下瞼も一緒に動くために、なかなか大きく開けられないという状態になってしまいます。下眼瞼下制はこういった動きに対応するための施術メニューだと思って良いでしょう。
眼の動きというのは実際にはとても複雑です。ですから、下眼瞼下制の手術というのもそういった眼の動きのメカニズムをしっかりと把握した上で受けるようにすると、よりスムーズに受け入れることができるようになると私は思っています。